受験生のみなさんへ【不安・進路】

受験生のみなさんへ【不安・進路】

 

受験生のみなさん。まもなく大学入試の時期がやってきますね。2月中旬からは私立大学の入試が本格化し、2月末には国公立大学の入試が始まります。みなさん、今はどのような気持ちでお過ごしでしょうか。共通テストを終え、二次試験に向け自信満々な方もいらっしゃることでしょう。また、私立大学受験者の方は初めての入試を控え緊張が日に日に増しているのではないでしょうか。そんな中でも、特に受かるか不安で夜も眠れないーという方へ。休憩がてら小話を読んでいってください。

みなさんは、プランド・ハプスタンス・セオリーというものを知っていますか?

日本語に訳すと「計画された偶然の理論」といったところでしょうか。これはスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授 により、1999年に提唱されたものです。

なんと、このセオリーでは人間のキャリア形成の80%は「偶然」によって形成されるとされます。たしかに、人は皆何かの目標や信条を持ち、まっすぐその通りに生きていこうとするものですが、実際は周りの環境や自分の得意不得意などによって思い通りに行かないことのほうが多いくらいです。でも、常に理想と現実の差に悩まされ、絶望感を感じていては一度きりの人生、楽しめませんよね。そんな時、プランド・ハプスタンス・セオリーはこう教えてくれます。「偶然」は、ただ受け入れるものでなく、生かしていくものだと。つまり、不測の事態や失敗はあって当たり前だから、せっかくならそれを楽しんでしまおうということです。

受験生の皆さんは青年期である方が多いことと思います。エリクソンの発達段階表によれば、皆さんの発達課題(その時期に達成するべき成長目標)は、「アイデンティティの確立」です。アイデンティティとは、自我同一性ともよばれ、「自分が自分であること」という確信をさします。つまり、「これが自分なんだな」と自分に満足して受け入れ、社会を生きていく自信に変えることです。皆さんは今、絶対に負けられない戦いに向かおうとしているでしょう。負ければ人生が終わる,,,なんて考えてる方もいるかもしれません。でも、人生において失敗や不測の事態は避けられません。それは受からなかった場合に限らず、記念受験で受かってしまった場合だって含まれるんです。

受験が終わった時、抱いていた理想と現実が全くおんなじだった。なんて人はほんのわずかだと思います。そんなとき、絶望し、お先真っ暗だと思ってしまえば、「アイデンティティの確立」にも悪影響を及ぼし、「自分」がなんなのかわからなくなってさらに暗闇へ落ちていってしまいます。その苦悩もまた、人生の大事な経験になることがほとんどであるらしいのですが、どうせなら、この記事を読んでくださった方は皆、プランド・ハプスタンス・セオリ―を合言葉にしましょう。プランド・ハプスタンス・セオリーはただの投げやりな生き方を勧めるものではなく、この予測困難な社会の中で、みなさん一人ひとりがそれぞれにとって最も幸せな人生を送るための指針です。思えば、皆さんが自分で自分の進路について悩んでいるこの現状も、封建的な社会が近代の個人主義的な社会に移り変わった賜物なのかもしれません。皆さんは、受験を通してほかの誰よりも「自分」を見つめます。それはこれからの人生を主体的に切り開き、「自分」とは何なのか知る1つの経験となるでしょう。最後の一秒まで、解答用紙に「自分」を表してみてください。応援しています。